| 楽しんでこそ、楽しませてこそ娯楽です。 |
| ─ 今回お訪ねしているリカバリーサポート・ネットワークさんは、ぱちんこ遊技に関する依存問題解決を目的としているとのことですが、具体的にどのような活動をされているのでしょうか? |
| 私たちの最も中心となる活動は、ぱちんこへの過度ののめりこみ(ぱちんこ依存問題)に関する電話相談です。お話を伺いながら問題の整理をお手伝いし、問題解決に有用な情報提供と社会資源の紹介を行っています。 |
| ─ 設立にいたる経緯を教えていただけないでしょうか? |
子どもの車内放置事故・熱中死事故、借金問題などぱちんこの周囲で生じる問題に対し、全日本遊技事業協同組合連合会(以下全日遊連)は、2003年4月に「依存症研究会(現ぱちんこ依存問題研究会)」を発足させました。
これらの問題の背景の一因となるぱちんこ依存問題に注目し、研究会では、強迫的ギャンブルの回復支援施設ワンデーポートから当事者活動の考えを聴くなど、広い視点からぱちんこ業界として具体的に何ができるか議論と検討を行いました。
研究会の議論の中から、真に役立つサービスと未来に向けた社会資源の創造への取り組みを目標に、相談機関の設立が構想されました。その構想をもとに、全日遊連の支援によって2006年4月に第三者機関ぱちんこ依存問題相談機関「リカバリーサポート・ネットワーク」が設立されました。
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| ─ ぱちんこ依存による問題とはどのようなものなのでしょうか? |
| ぱちんこへの依存は、個人の人生計画を狂わせるだけでなく、1)借金や失業などの経済問題、2)育児放棄や家庭内暴力などの虐待・暴力問題、3)依存や抑うつ、自殺などの精神医学的問題、4)借金などを契機に引き起こされる犯罪など周囲の人や社会を巻き込んだ問題として深刻化してから表面化することが多い特徴を持ちます。 |
| ─ どのような要因でぱちんこにのめりこんでしまうとお考えですか? |
ぱちんこ依存問題背景には、1)快感や興奮の演出といったぱちんこ機やホールの演出に起因する問題、2)ぱちんこの快感・興奮に反応しやすい体質、3)孤独やストレスなどユーザーの置かれた状況、4)さまざまな問題への対処技能、5)本人・周囲の人の問題への認識や知識、6)問題解決の支援体制など、さまざまな要因が絡み合っています。
社会・文化の多様化の中で対人関係が希薄化している今日においては、孤立や孤独を引き金に全ての人に起こりうる問題だと考えています。
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| ─ ぱちんこに依存しているかどうかの判断のつけ方はあるのでしょうか? 自分自身が自覚していないことも多いと思うのですが‥? |
ぱちんこ依存になっていても自覚がない方もたくさんいらっしゃると思います。
本人の自覚が無いが、周囲の人が遊びのレベルではないと異常や不安を感じて、相談されてくるケースもあります。
ぱちんこ依存かどうかを判断する明確な基準はありませんが、以下の傾向・状態が生じていると危険信号です。
- 今までにぱちんこに行く回数、使う金額など抑えようとしたが、上手くいかなかったことがある
- ぱちんこに行くためにウソをついたり、他の用件を後回しにしたりする
- ぱちんこをはじめると、行く前に決めた時間や金額を越えて続けてしまう
- ぱちんこによって、金銭的な問題、人間関係の問題、社会的問題が生じていても、ぱちんこをやってしまう。または、やりたい欲求がでてくる
- ぱちんこで負けたお金を取り戻そうと、またぱちんこに行く。負けることに快感を感じる。
- 嫌な事・不快な事があると、ぱちんこで解消しようとする
- ぱちんこで生じた問題を、他人に解決してもらおうとする
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| ─ リカバリーサポート・ネットワークさんに電話相談する方は、やはり 本人の方が多いのでしょうか? ご家族の方の相談なども多いのではないでしょうか? |
| 新聞・テレビなどで情報を得て相談をされるのは、家族の立場の方が多く、ホールのチラシを見て相談されてくるのは、圧倒的に本人の方です。全体の比率では、全相談件数(立場不明・無言電話など含む)のうち、半数以上が本人の方からの相談です。徐々に、本人の方からの相談比率が高くなってきています。 |
| ─ 相談件数の増減に傾向はあるのでしょうか?やはり射倖性の高いぱちんこ機が市場に多かった頃に比べると減少しているのでしょうか? |
| まだ相談を始めて期間が短く、市場との連動は不明です。現時点では、相談件数の増減は、メディアの紹介やホールの広報協力の影響を強く受けています。 |
| ─ 相談する方は男性と女性どちらが多いのでしょうか? |
| 家族相談では、依存問題を持つ男性について、母親や妻の立場にある女性が電話されるパターンが多くみられます。女性本人の相談が徐々に増えつつあり、依存問題を抱えた女性の相談は3割を、超えてきています。 |
| ─ 相談する方の年齢に傾向はあるのでしょうか? |
問題の対象者では、20代〜30代の若年層と50代以上の中高年層の2極化があるようです。
社会参加の入り口や初期でつまずいたまま、ぱちんこにのめりこむ若者に関する相談が多く見られます。一方、中高年層では、休日や退職後の余暇を使いきれず、孤立化しぱちんこにのめりこんでしまう方々が見受けられます。今後相談件数が増えてくれば、問題の広がりや特徴が明確になってくると思います。 |
| ─ 相談する方に何か共通した傾向などあるのでしょうか? |
| 問題が長期間続き、繰り返されているにも関わらず、現在まで依存問題の相談経験が無いケースが多いことに驚かされます。また、相談してもたらい回しになってかえって混乱している場合も少なくありません。知識・情報ともに問題を抱える人たちに届いていない現状があります。当初は、借金の返済方法などの問い合わせが多いのではないかと予測していましたが、相談のほとんどが依存問題への対応についてであり、問題解決支援の社会資源の高いニーズを感じています。 |
| ─ 相談費用はかかるのでしょうか?また、誰でも相談にのってもらえるのでしょうか? |
IP電話ですので、通話料がかかりますが相談料は無料です。ぱちんこ依存問題を抱える方であれば、相談をお受けします。ただし、すでに医療・相談機関を利用中の方の場合、精神障害で治療中の方については、ソーシャルワークおよび治療への影響を考慮し、ご相談を控えるかあくまでも補助的なアドバイスを行うかにしております。また、現在、直接の来所相談は行っておりません。 |
| ─ 1ヶ月にどのくらいの相談件数があるのでしょうか? |
| 毎月50〜100件程度の相談があります。 |
| ─ 相談する方の個人情報はどのように守られているのでしょうか? |
| 専属相談員のみが相談電話に対応し、相談は、全て匿名でお伺いしております。 |
| ─ 実際に電話相談をしていく中で苦労・工夫した点、また困った点などあればお聞かせ下さい。 |
| 日本初の取り組みであるため、活動の全てが手探りで試行錯誤の連続です。パチンコ依存症・ギャンブル依存症といった言葉だけが先行し、実態調査も対策方法も無い状況で、正しい知識とは何か、伝えるべき情報は何かを選ぶだけでも大変な作業です。全国的に、相談者のいらっしゃる地域で問題解決支援を行ってくれる社会資源が乏しいため、紹介できる社会資源が少ないのが大きな悩みです。 |
| ─ 電話相談の他にもぱちんこ依存問題解決に向かっての活動をされているのでしょうか? |
| 電話相談を活動の核にしながら、今後は、相談員の育成・研修プログラム、社会資源のネットワーク作り、情報の発信や啓発、調査・研究などに順次取り組んでいく予定です。 |
| ─ ぱちんこファンの方に何かメッセージがあればお伝え願えないでしょうか? |
ぱちんこは日本の生み出した娯楽であり文化でもあります。遊びのつもりが、自分の意思だけではコントロールが不能になる可能性が全ての人にあります。
怒ったような怖い顔でパチンコ台に向かっていませんか?楽しんでこそ、楽しませてこそ娯楽です。問題を感じたら、問題を持つ人とであったらご相談下さい。
相談専用回線(IP電話)050-3541-6420 月曜日〜金曜日(祝日は除く)10:00〜16:00  |